兄ちゃん、…………

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バタン。 自室の扉を閉めて、鞄を無造作に床に投げた。 「…ッ………はあー…」 あんなに大好きだった兄ちゃんなのに。 今は会いたくないなんて。 兄ちゃんの顔を見ると、来斗との行為を思い出すようになっちゃったんです、俺。 来斗としてる最中と逆のことが、起こっている。 来斗といやらしいことしてる時は、兄ちゃんのことを思い浮かべて。 兄ちゃんの顔を見れば、来斗との行為を思い出す。 罪悪感と羞恥と後悔がない交ぜになって、心にとぐろを巻いて居座っている。 「……ごめんね…兄ちゃん… 来斗……」 ベッドに沈み込んで、呟いた。 時間が戻るならば、いいのにな…。 .
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