289人が本棚に入れています
本棚に追加
―夕飯
「ご飯できたわよ。
譲呼んできてくれる?」
「うん」
譲の部屋をノックし、夕飯であることを告げると、返事もなく扉が開く。
眉根を寄せた、不機嫌そうな譲が出てきた。
「…なんだ、お前、その顔は」
「何でもない、大丈夫。」
「………」
そっけなくそれだけ言って、のそのそと階段を下りていった。
…いつもなら、
少し前なら、
階段を上がってくる足音だけで飛び出してきたのに。
つまらなくなったな。
食事をしている最中も、終始不機嫌で、食べ終わるとすぐに風呂へ行ってしまった。
.
最初のコメントを投稿しよう!