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――――――…
―――――――――……
「ぁ……あ…ッう…」
「…ンん…ふーっ……んっ……ん…」
休日の今日も、来斗の部屋に入り浸る俺。
まずい。
今度こそ行ったらダメだ。
そんなことを思っているのに、快感を貪るためだけに、来斗の部屋に来ていた。
俺はひどいやつだ。
糞野郎だ。
世の中のくず以外の何者でもない。
自分に対して片想いしているやつに、性欲処理だけを、させてるんだから…
これほど酷なことはない。
心のどこかで、
『来斗は俺のことが好きだから、誘って断るわけがない』
と、分かっている俺がいた。
そう、兄ちゃんに拒否されるのが怖いから、拒むわけのない来斗に逃げたんだ。
「うン…あ、あ…ッ!」
「………ン…」
クッ、と、液体を飲み干す来斗。
その目には涙が浮かぶ。
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