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電車を降り、家に向かって歩いていく。
「あれ、兄ちゃん。
なにそれ?」
兄ちゃんの鞄から、兄ちゃんに似つかわしくないピンクの包みが覗いている。
女子か!?女子からの貢ぎ物か!?
これは確認しないと!
「お前に関係ない」
「えー?隠す必要ないじゃん!見せてよー」
「…勝手に鞄に入ってたんだよ…」
そう言って、鬱陶しそうに包みを押し付けてきた。
あ、マドレーヌだ。
連絡先が書かれたメモが一緒に入ってる。
『よかったら食べてください♪ 未来♪
090-xxxx-xxxx』
「…返せ」
「え?食べるの?
連絡するの?」
「なわけあるか。
知らんやつの手作りなんか食わねえよ。
捨てる。」
「わぁお、外道!」
「普通の感覚だろ!
勝手に鞄開けられて、こんなもん入れられたら気持ち悪いわ!」
コンビニのゴミ箱にボスッ!と豪快に突っ込んだ兄ちゃん。
さっすが兄ちゃん!
「俺の手作りだったら食べてくれる?」
「いや、犬に食わせる」
「えー、愛情ベタベタに込めるのに!」
「なお食いたくない。」
ああ、歪みない兄ちゃん、かっこいいよぉおぉお!!!
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