289人が本棚に入れています
本棚に追加
/174ページ
「ゆず。
譲自身の、話をしよう」
母さんと兄ちゃんは、隣の部屋でチェスやら将棋やらしている。
父さんと俺は、向かい合って話をしていた。
こわい。
正直言って、知りたくない話だった。
「もうお前も17になった。
自分自身のことを、ちゃんと知っておくべきだし、知る権利がある」
「…………」
「ちょっと複雑なんだけどね…
落ち着いて聞いてほしい」
嫌な汗が、
止まらない。
.
最初のコメントを投稿しよう!