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「…兄ちゃんは…
知ってるの?再婚のこととか」
「ああ。
中学生くらいの時かな?
改めて話したよ。
もうなんとなく分かってたみたいだけどね。」
「そっか……」
ちょっと…
まだ俺には心の整理がつかないな…
理解はしたけど、どこか他人事のように感じている…ていうか。
説明がつかない。
ていうか。
「…なんで…
俺には、このタイミングで話したの…?」
「いやぁ、お前があまりにも兄ちゃん好きすぎてなー…
言うとすごいショックを受けるだろうから、もう少し大人になって、受け止められそうになったら、話そうと思ってて。
ちょうど、結婚記念日だったし、話すにはちょうどいいかと思ってね」
なるほど。
「…ちょっと…
まだ整理つかないやぁ…」
「でも、これだけは忘れちゃいけないよ。
直接の血の繋がりがなくても、私たちは家族だ。」
「………」
「血の繋がった父親も、母親も、もういないけれど、家族はここにいる。
それだけは、忘れないでくれよ?」
「うん…」
「家族みんな、譲のことが大好きだからな…」
「うん…!」
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