289人が本棚に入れています
本棚に追加
/174ページ
「あれ、譲。
お兄さんに鬼電、鬼メールしないの?」
「んー」
屋上でお昼ご飯なう!
菓子パンをかじっていた若宮が、不思議そうに訊ねてきた。
「兄ちゃんの就活は邪魔できないっしょー。今は大人しくしとく!」
「ほー。譲、以外と常識あるね」
「だって、兄ちゃんの将来棒に振りかねないんだよ?!
将来結婚する身としては、そこんとこしっかりしてもらわないと困るもん!」
「前言撤回するわ…
お前、やっぱ変」
失礼な!
気持ちをストレートに表現するのは、変じゃないよ!
「若、譲」
「琢磨。なんか用?」
気だるそうに屋上の扉によっかかって、片手をあげる琢磨。
だらしなくのろのろと、こちらに歩いてくる。
「遊びに来たでー。」
「なんだぁ。」
「用事なくちゃあかんのかいな!」
「あかんくないよ。珍しいからさ」
若宮がそう言うと、俺のとなりに琢磨がドカッと腰を下ろした。
確かに、琢磨がこっちに来ることは滅多にない。
いつもなら、彼女と昼飯を食べてるもん。
.
最初のコメントを投稿しよう!