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俺は兄ちゃん一筋だから、琢磨の心情は理解できないけど。
琢磨は、女子から人気高くて、彼女を一週間と切らしたことはない。
女子からのアプローチで、付き合い始め。
飽きるか、トラブルがあると、ポイッ。
困った男だね。
それでも友情に厚い、イイ奴なんだよ。ほんと。
放課後。
「お。ぶたれて帰ってきた」
「はー…もー…」
頬は赤く腫れていて、ぐったりしていた。
別れ話を切り出したところ、彼女から罵詈雑言、殴られまくったらしい。
琢磨の肩を叩いた来斗が、慰めの言葉をかける。
「どんまい!どうせ次いるんだろ~」
「いや、もう女はえぇ…やっとられへん…
付き合え言うから付き合ってやったんに…」
「そんな感じで付き合ったら、そらぁ頬張られるだろうね」
琢磨以外の三人で、うんうん、と言うと、琢磨は不機嫌そうに鼻をならした。
「……帰るわ。」
「じゃあな。」
「また明日な」
「じゃあねー」
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