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「……ん…」
「あ」
目があっちゃった…
もう少し寝ててもよかったのにねえ。
…ねえ…。(悔)
瞬間、両頬に衝撃が走った。
力一杯、顔をつかまれたよ!
ですよねッ!
「…てめぇ…譲だな…
何してやがる…
十文字以内で簡潔に述べろ…」
「ほっぺにキス未遂!」
「…このまま顎外してやろうか…?」
「未遂、未遂だから許してー!」
はぁ、と息を吐くと、俺の顔をつかんだまま、上体を起こした兄ちゃん。
片手で眼鏡をかけて、改めてこちらを向いてくれた。
「なぜ勝手に入った?」
「靴もあるし、気配もするのに、静かだったから。
死んでないかなー、って」
「奇行に至る経緯がわからん…」
「そりゃあ兄ちゃん大好きですから!」
「聞き飽きた」
「痛たたた!!ああ、痛気持ちイイ!!」
あれっ、手が外れちゃった。
ちぇ、もう少しつかんどいてくれてもよかったのに。
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