科学雑誌『月刊ノーベル』

4/4
16人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
デビッド・フランクリン 彼が元素発生を発見して、150年経つが、地球では様々な異変が起きている。 まず、世界的な平均身長の低下。 これは、地球の重力の変化が原因であると思われる。 一般に、重力が大きい星では生物は平均的に小さくなるといわれている。 現在、生物が確認されている星は地球だけであるため、断言はできないが、現に地球の重力が0.78%増加した今、それまで伸び続けていた人間の平均身長が1cm縮んだ。 そして、地球の重力が増加した原因は、世界中の人々が 『何もない所から物質を出す』 ことにある。 それまでの常識では質量保存の法則からも言えるように何をしても地球上の物質の質量は変わらなかった。 しかし、現在では自在に物質を『出す』ことができる。 そのため、地球の質量が増えてしまったのだ。 星の質量が増えれば重力も増えるのだ。 また、地球の重力がが増えることは、もっと大きな問題を引き起こす。 まだ、兆候は見られないが、このまま地球の重力が増加すれば、月は地球からの引力と遠心力のバランスが崩れ軌道がズレるだろう。 そのとき、地球に激突するか、または地球の重力圏から放り出されるかはわからないが、いずれにしても大きな影響は免れない。 激突し氷河期が訪れても、物質を出せば食料が合成できる為、なんとかなるだろう。 しかし、何せ月は地球の1/4もの直径を持つ。 本当に激突すれば、氷河期では済まないであろう。 また、放り出された場合、潮の満ち引きはなくなり様々な生物に影響を及ぼす。 そして一番大きな問題が、地球が公転軌道からズレることである。 太陽に激突すれば地球は跡形もなく消える。 放り出されれば、外側の火木土天海の惑星達と激突するリスクを背負い、小惑星帯では、隕石はそれこそ雨のように降り注ぐ。 仮にそこを乗り切ったとしても、太陽から離れた地球はすぐに冷える。 単純な氷河期ではなく内部まで。 磁気圏は消える。 太陽風は冥王星の外側まで伸びている。 地球には放射線が降り注ぎ地球上の生物は絶滅するだろう。 私はこの緊急事態に警鐘を鳴らす。 /松下靖夫
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!