森人

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小屋の中央にすえたテーブルにかけ、男がサンドイッチを口に運ぼうとすると、何やら声がした。声というより泣き声。 男が食事の手を止めてじっと耳をすますと、小さかった声が段々と大きくなる。 「やれやれ、仕方ない」 男は一人ごちると、椅子から立ち上がって小屋の外に出た。小屋の左手にある樫の木の根元、声の主はそこに立っていた。
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