第1話 「始まり」

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「あ、恭真。この人が学園長だよ…」 ボソッととテルが教えてくれる。 学園長は女の人なのか…てっきり男かと思ってた…。 「ネクタイの色からして、君達は一年だね?ここにいるってことは私に用があるのだろう?」 「――あ、はいそうです」 「何の用かな?立ち話もあれだから中に入ろうか」 そう言って学園長は恭真とテルの間を通って部屋の中に入る。恭真も学園長に続いて中に入る。 「あ、じゃあ僕はこれで…」 「え?あ、ああ」 「何を言ってるんだ。君も入らないか。ここに腰掛けてくれ」 学園長が部屋の中央にあるソファーを指差しながら言う。 「で、でも僕は彼を案内しただけなので…」 テルが恭真のほうを一瞬見て言う。 「いいじゃないか。何か用事があるわけでもないだろう?」 「それはそうですけど…」 学園長の問いかけに口ごもるテル。 「ならいいじゃないか。彼もそのほうがいいだろう」 学園長が口元に笑みを浮かべながら恭真のほうを見る。 「――そうだぞテル。いてくれ」 「…うん。わかったよ」 恭真が声をかけるとテルは微笑みながら答えた。そうして、恭真とテルはソファーに腰掛けた――。   
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