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「――さすが、すごい力だったね。あの歳でよくあそこまで制御できているものだ。
・・・
やはり、あのお二人の息子ってことかな。なあ、静香?」
「――うん、あの子はほんとにすごいよ…。あんな状態だったのにひとりで……。あたしなんかもういらないんじゃないかって…」
「そう悲観的になるなよ。さっきの様子だと、君を信頼してるように見えたよ?
静姉なんて呼ばせているぐらいだし、
・・
さすが姉弟と言ったところかな?ふふふ」
「なっ!あ、あれは別にあたしがそう呼ばれたいからさせてるってわけじゃないのっ!」
静香が顔を真っ赤にさせながら叫ぶ。
「呼ばれたいのか。ふふふ。静香はやっぱり弟のほうがいいのかな…」
・・・・・・
「う~~、雫お姉ちゃんのいじわるっ!」
雫がわざとらしく落ち込んだふりをする。
「――まあ、今までは君が彼を守ってきたが、これからは私も――いや、この北城学園が彼を守るよ…。
―――家族になり損ねた分ね」
「うん、お願いします。『学園長』」
雫の先ほどとは違う真剣な言葉に静香は改めて、目の前にいる『学園長』に頭を下げた。
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