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「何故だと!? あってはならんからだ……!今は大事な時期だ。そんな中、実家が燃えて、あまつさえ、心霊現象など」
先程より言葉に力を込めて、まるで奇端倶楽部が憎たらしいという様子で言い放つ。
彼の言葉に恭介は嫌悪感を抱くが、顔には出さない。
彼の今の状況を慮れば、喉まで出かかっていた言葉を飲み込む他無かった。
彼が、何か事件の鍵を握っているのではないか。恭介にはそう思えた。
恭介は幹子の方を見た。
幹子もまた彼の様子に思う節があるのか、才蔵の方を見詰めていた。
幹子と恭介は、これまでに至る経緯を才蔵に話すことにした。
春代の依頼の“ある絵巻”に関して、事件当日に都内山麓に尋ねたこと、春代と雅司の様子に関してである。
その間、時折、彼は口元を力ませ、沈痛な面持ちで恭介らの話を聞いていた。
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