僕らの未来の為に……第1部(1)

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「ダンボールはその辺に固めて置いて。」 「了解です。社長。」 この男、赤星碧(あおい)50才、年齢よりかなり若く見える中年オヤジ。 ジムに通って、身体をいつも鍛えている。 仕事は旅行会社とIT関連の会社を経営して、アメリカにも共同経営の会社をいくつか手掛けている。 僕が尊敬する内科医の徳永先生曰く、ちょい悪オヤジ風なのだとか、将来の外見はこうなりと彼は思っているらしい。 そのオヤジ、僕が大学卒業と同時に豊洲のタワーマンションを勝手に借りてしまった。 僕の返事も訊かないで。 その為に、僕は長野から引っ越しする事になった。 僕の細やかな計画としては、大学卒業後、都内に安アパートを借りて暮らそうとしていたのだ。 いつもそうだが、本当にこの赤星は僕の話を聞かない。 「サプライズだよ。」とか、言われても毎回これだとちょっと嫌気がさしてくる。 僕の意思は無視か……。 いつも、子供扱いになる。 大体、僕と赤星は最初からそんな関係から成り立っていた。 8年前、高1の秋に僕は赤星に買われた。 援交になるのか? 良く考えれば児童買春にあたる犯罪じゃないのか? ………際どい。 高校生の僕は赤星と遊んでいると、段々面白くなって、嫌な奴が凄く好きになった。 両親が居ない僕を心配して可愛いがってくれた。 そんなラブラブな日も突然高2の夏休みで終わった。 急にアメリカに経たれて、僕は泣きながら赤星と別れた。 7年振りにアメリカから帰国した赤星は、去年11月、僕を探し出して、また、ふたりの関係が復活してしまった。 焼けぼっくりに何とやらだ。 今の赤星は保護者なのか、恋人なのか、それともパトロンなのか。 いったい彼は僕にとって何者なのだろか?
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