違和感

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 コーヒーも捨てて新しいのを入れる。別に呑むつもりはない。ただ、こうしておいた方が雰囲気がいいからだ。こんなドブ水のような飲み物、私は呑みたいとは思わない。  部屋の中を見渡して、第三者が侵入した形跡がないかを調べた。万が一、侵入されでもしたら、最悪殺さないといけないからだ。  今日は侵入者はいなかったようだ。私は安心すると、机の引き出しにしまっていたパソコンを取り出した。何も知らない者がみれば、良く分からない機械だろう。おそらく、さっきまでの私は違和感を覚え捨てていたかもしれない。冗談ではない。唯一の連絡を手段を断つとは、想像しただけで恐ろしくなる。  私はパソコンを起ち上げると、さっそく、報告を書いた。一日以上も間が空いてしまった。本部はおそらく、苛立っているはずだ。急いで、報告しなくては。 「地球にて、『酒』なる飲み物を口にした。我々の星には存在しない未知の飲み物だ。種類は様々あるが、共通して酒に分類される飲み物には、アルコールという成分が含まれている。それが、脳内を麻痺させ正常な判断を無くさせる効果があることが分かった。私自身も、アルコールの効果により正常な判断を失い、一時的な記憶障害に陥っていた。これが、報告が遅れた理由である。地球占領の際には、この酒なる飲み物には十分な注意が必要である」
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