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「もしかしたら壮大なドッキリかもしれねぇな。学校ぐるみの」
自分を落ち着かせるために適当な事を言ってみる。もちろん、ただの気休めだ。しかし、この状況に何らかの説明を付けなければやっていられない。
時間が要る。考えを整理するための時間が。
だが、事態は春樹の都合に構う事無く進行する。
扉の外がにわかに騒がしくなったかと思うと、友達や教師の怒鳴る声が聞こえてきた。
「ここが怪しいぞ!!」
「蹴れ! 蹴れ!!」
途端に、衝撃が春樹の背中を襲った。どうやらドアが外から蹴られたらしい。
慌てて床を這うようにドアから離れる春樹の背後で、破壊的な音が連続で響く。教室のドアを壊す事に関する躊躇いなどはなさそうだった。
「……何なんだよ一体!!」
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