Entrance

5/9
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
「いやああぁぁああッ!!」 私は悲鳴を上げ、ベットから転がり落ちた。 …ゆ、夢? 「は…はあ…。」 よ、良かった。夢で。 それにしても、何て夢なの!! 「可憐(かれん)…あの…平気?」 ルームメイトの美月が、ドアの影から私の様子を伺っていた。 猪ノ瀬美月(いのせみつき)。 …一言で言うなら、深窓のご令嬢。 背がスラリと高くて、サラサラのロングヘアー。 趣味は読書と映画鑑賞って言ってたっけ。 チビで子供っぽい私とは次元が違う、美少女。 さらに、性格もいいと来てる。 「あはは…驚かせて、ごめん。」 私は落ちた時に捲れ上がったパジャマを直しながら、美月に手を振ってみせた。 「変な夢、見ちゃって。」 「…高校生活にまだ慣れないのじゃない? ストレスで怖い夢を見たりするって、聞いたことがあるわ。」 ああ…、 美月は優しいなあ。 同級生なのに、まるでお母さんみたい。 彼女と同じ部屋になって、本当に良かった…。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!