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「いやああぁぁああッ!!」
私は悲鳴を上げ、ベットから転がり落ちた。
…ゆ、夢?
「は…はあ…。」
よ、良かった。夢で。
それにしても、何て夢なの!!
「可憐(かれん)…あの…平気?」
ルームメイトの美月が、ドアの影から私の様子を伺っていた。
猪ノ瀬美月(いのせみつき)。
…一言で言うなら、深窓のご令嬢。
背がスラリと高くて、サラサラのロングヘアー。
趣味は読書と映画鑑賞って言ってたっけ。
チビで子供っぽい私とは次元が違う、美少女。
さらに、性格もいいと来てる。
「あはは…驚かせて、ごめん。」
私は落ちた時に捲れ上がったパジャマを直しながら、美月に手を振ってみせた。
「変な夢、見ちゃって。」
「…高校生活にまだ慣れないのじゃない?
ストレスで怖い夢を見たりするって、聞いたことがあるわ。」
ああ…、
美月は優しいなあ。
同級生なのに、まるでお母さんみたい。
彼女と同じ部屋になって、本当に良かった…。
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