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すると彼は、私のことを突然壁に押し付けた。 「へ……?」 所謂、壁ドンと言うやつだろうか。 え、ちょ、何これ。彼の片手が私の顔の横を通り過ぎて壁に付き、私は動くに動けない状態。 一気に赤くなった顔を、マジマジと見られているのかと思うと、恥ずかしくて目も合わせられずにいる。どうして、なんで。たまーーにこういうことするの。しかも何の脈絡もなく。 目線を逸らしていても、彼の視線が私に注がれていることがわかる。恥ずかしい。なんでこうなったの。 しかし、よく考えたら。男と女が部屋に2人きり。こういうことやああいうことに何時なっても可笑しくはなかった。でも私達、付き合ってるわけじゃないのに……。 「免疫、って言ったろ。病気とかウィルスとかそう言う時だけに使う言葉じゃない。何度も経験するうちに、慣れていくことを言うんだぜ」 ……こんなこと何度されても、絶対に慣れない。
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