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俺が何も言えないでいると、真山が苦笑しながら間に入る。
「だよねー。突然ごめんね。……よし!二人とも帰ろう!」
真山はそそくさとその場を去った。
おい。言い出しっぺのくせに先に逃げるとは……
あの野郎……後で覚えてろよ。
ショックやら怒りやらで俺が動けないでいると、隼斗は俺の腕を掴んでそのまま歩き出した。
少し歩いたところで、隼斗が立ち止まった。
「陸は……あの1年のこと好きなの?」
隼斗はこちらに向き直り、真剣な顔で聞いてきた。
「いや、好きじゃない」
もちろん俺は即答した。
「じゃあ、何でそんな泣きそうな顔してんの?」
「……そりゃ、あんな罵られたら誰でも傷つくだろ。こう見えて俺、メンタル弱いんだよ。泣きたくもなるっつーの。……お前こそなんで傷ついた顔してんだよ」
隼斗は何故か俺と同じくらい、いや、俺以上に傷ついた顔をしていた。
「……なんでって………親友が悪く言われてるのに、平気な顔は出来ないよ」
隼斗……そんなにまで俺のこと……
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