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西暦2062年、永世七年。日本新東京都第七工業地区。寂れた街の一角の人気のない商店街に、探偵はいた。探偵は落とし物を探すように地面に目を落とし、一歩一歩注意深く歩いていく。
辺りはゴミと思えるものしか落ちていない。人気とないと言うのにゴミが散乱している情景に、探偵はため息がこぼれる。
目の前から人が歩いてくるのが見えた。この地区の住人だろう。ボロボロになった布切れを羽織り、土で汚れた短パンを穿いている小汚い男だ。久しぶりにこの地区で人とすれ違った。
探偵は少し頭を俯くようにし、その男の横を通る。すれ違いざまに、横目で男をみた。そして、やはりと思った。
あの男は十中八九麻薬に手を染めている。今どき珍しい事ではないが、信じたくはない事実だった。
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