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十年ほど前だ。戦争が始まる一年前、日本に「レム」という医療装置が開発された。精神異常者の脳内に特殊なチップを埋め込み、重箱ほどの大きさの機械から脳内に直接ある映像を送り込む。そうすることにより、強制的に精神を戻そうという、あまりにも残酷な治療方法だった。
しかし、この治療の際、患者には大変な快楽が味わえる事から、麻薬の一種として扱われるようになった。日本政府はすぐに「レム」の使用は禁止し、全ての「レム」を廃棄したと公表したが、裏では政府が独占したとまで言われた。
そして、「レム」の代わりに開発されたのが、タブレットタイプの「レム」だった。見た目から隠喩として、「チョコレート」と呼ばれている。
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