第1話

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 探偵はその日、ある集会の招待を受けていた。  新日本党、別名“聖杯組”。二院制が無くなってまもなくに設立された新たな党だ。  探偵は集会がある公園に着いた。終戦記念に立てたれた搭の前に、“聖杯組”党首、浅田国彦の姿がある。浅田は集まっていた数十人の市民に声明を発していた。  探偵はその声明に耳を傾けることなく、先に到着しているはずの相方を探していた。公園の脇にある杉林の道にポツンと設置されたベンチに、その相方は座っていた。探偵は近付き、声をかける。 「どうだ様子は?」 「特に異常なし。とゆーか暑いよ今日。アイス買ってきてくれた?」 「買ってる訳ない」 「気遣いというものがないんだねドグマは」 「外でその名をだすなといったろ。三上と呼べ」  相方は少し不貞腐れたようにベンチに横になる。暑さにやられたのだろう。
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