始まる日々

10/29
前へ
/310ページ
次へ
そんなことがありながらも、式が始まる時間な短くなっていく。 それにならんで、俺もだんだん緊張し始めた。 まぁ、俺の目の前のやつは鼻歌歌っているから緊張してないんだろう。 あ、それ俺の好きな歌だ。 「えー、では新入生も揃ったと思いますので、これから入学式を始めます」 教壇の上に先生がマイクを持って立っていた。 「おい、もうそろそろ始まるぞ」 まだ鼻歌を歌っていたから、注意した。 「~♪ん?あ、わかった」 こいつって無意識なのかな? 返答するたびにとびっきりの笑顔を見せる。 それは昔からのことだが、どうも最近気になりだした。 まぁ、こいつのことだから無意識なんだろうな。 とか思っていると、既に入学式は始まっていた。 「桜の蕾も開き、暖かい春風もこの日を祝福しているようです。ーーー」 生徒会長と思われる人が教壇の上で歓迎の言葉を言い始めた。 どうやら、朝の俺に注意してきた女の人が生徒会長だったらしい。 正直、式自体に興味ない俺にとって、ただの時間潰しのようなものだ。 なにか面白いものはないかと、周りを見渡した。 みんな、とても真面目そうな雰囲気を出していて、生徒会長の言葉に相槌を打っていた。 目の前を見ると、優美亜が眠たそうに頭が垂れ下がっている。 ……ふっ、少しいたずらしよう。 チョン 「……あっ」 無防備な背中に人差し指でつついてみると、こそばゆいのか体がビクッと反応した。 チョンチョン 「……っ!!」 A☆HA☆HA☆HA☆HA!! なんか、これかなり面白いんですけど…。 つつくたびに体がビクッと反応するのが楽しい。 ん、ちょっと待てよ。 これってある意味変態じゃないか。 触ってビクッと反応してそれを楽しむ。 よし、自重しよう。
/310ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加