始まる日々

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「生徒会長ありがとうございました。それでは、次に新入生の言葉」 司会の生徒がそう言うと、隣にあった箱に手を突っ込み、何かを取り出そうとしている。 「綾瀬、それはしなくていい。私が決めよう」 「え、でもこれ毎年恒例じゃない?しなくていいのかしら?」 司会の人と生徒会長が何かを話ている。 すると、生徒会長がマイクを握った。 「簡単に説明するが、新入生の言葉はこちら側がこの箱に入っている名札を取って、その生徒に言ってもらう。それが毎年恒例だった」 そんな決め方でいいのかよ!! と思わずツッコミそうになったが、一つ疑問が。 「ん、だった?」 周りもそれが気になりザワザワしている。 そう、会長はさっき【だった】と過去形を発したのだ。 となると、今年から変わるということか? 「なので、今年は変える」 今年だけなんだね。 今年何かの気分があったんだね。 「小鳥遊隼人。前に来てくれ」 あー、小鳥遊隼人くん残念だな。 頑張ってくれよ。 ん……小鳥遊隼人? それって俺だよな? 「えぇぇぇぇえぇぇええ!?」 思わず叫んじまったよ!! すると、優美亜が俺の方を向き、 「がんばってね♪♪」 おいおい、そんなこと言われたらやらないといけないじゃないか…。
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