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「ん?小鳥遊は居ないのか?朝注意したやつじゃないのか?」
会長は司会の人と確認を取っている。
確認をとると、急に笑顔になりだんだん恐ろしい笑みに変わった。
まぁ、電気ついてないし暗いからよくわからないけど、背筋が凍ったもん。
すると、一本のスポットライトが俺に当てられた。
「さぁ、小鳥遊。新入生の言葉を言ってもらおうか」
教壇の上で腕を組んでいる会長が言った。
ちっ、場所がばれていたか!!
何かないかと周りを見ても、なにもなく仕方なく立つことに。
すると、周りの女子が、コソコソ話始めた。
前にいる優美亜を見ると、またかという表情をし、頭を抱えていた。
なんなんだよ…。
「教壇にこい」
うっわ、圧力がやべぇ…。
なんか今なら、空っぽの缶を上から踏み潰した状態になれる。
え?意味がわからないって?
うん、大丈夫。
俺にもわからないから。
俺は教壇の前まで行き、職員に一礼、国旗に一礼をして、マイクの前に立った。
「我々、新入生一同。今日という日を待ち望んでいました。新しい学校生活、新しい友達など、新鮮なことがたくさんあります。ーーーーこれを新入生代表の挨拶として終わります。新入生代表…?小鳥遊隼人」
ふむ、我ながら見事な挨拶だったな。
まさか瞬時に言葉がスラスラ出て来るとは思わなかったよ。
どうやら、会長もびっくりしているらしい。
目を見開いて俺をガン見してる。
うん、怖いね。
俺はそれをスルーし、自分の居た場所へと戻る。
「隼人すごいね♪あんなにスラスラでてくるなんて」
「あぁ、俺も正直びっくりだ」
優美亜も驚いてくれているようだ。
「…ゴホン。うむ、素晴らしい挨拶だった。では、これで入学式は終了だ。各自、自分のクラスへ戻ること。解散」
会長の言葉により、会場の緊張の糸が切れたようにザワザワ騒がしくなった。
確か俺と優美亜は1年2組だから…まぁこいつらに付いて行けばいいか。
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