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体育館を出て、少し肌寒い風が体を包む。
春と言っても、まだ四月の初旬だからか、やや肌寒い。
こういう季節程、風邪を引きやすくなる。
という俺も鼻水が軽く詰まっているがな。
「やっと終わった~♪隼人~、私たちのクラスどこかな?」
「やっとって程長くなかったろ」
すぐ終わったじゃん。
あと、騒がないでください。
周りの視線を独り占めだぞこのヤロー。
ったく、こいつのせいで入学初日から目立つぜ…。
「お、隼人じゃん」
ほーら、やっかいなやつに会ったじゃん。
「ちょっ…!!そんな残念そうな目でみないでくれよ」
「……ん?えっと~…?」
俺が分からないといった感じをだすと、案の定こいつは狼狽え始めた。
「え!?俺がわからない?…嘘だろ…?」
「その…すみません」
「ちぅぇぇすぅぅとぅぉぉー!!」
なにか、訳の分からない叫び声を上げて校門の方へ走って行った。
え、今からクラスに行くんだよな?
あいつ帰んのか?
あ、あいつはまた後で紹介するわ。
「…あ、相変わらずだね」
苦笑いを浮かべながら優美亜が立っていた。
そう、あいつは中学から一緒のやつだ。
あいつは、いわゆる弄られド変態野郎な残念なやつなんだ。
おっと、こんなことしてる間に移動しているじゃマイカ。
俺と優美亜は急いで瀬川さんの後ろへ並んだ。
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