序章 始まりの日に

2/2
前へ
/310ページ
次へ
「ちょっと待ってよ~」 「遅いよ~!!早く早く!!」 夕方、空も赤く染まり、その色に比例するかのように街も赤く染まりつつある時間。 そんな中、公園で遊ぶ男の子と女の子が追いかけっこをしていた。 「やった~、私がいっちばーん♪♪」 女の子がジャングルジムと滑り台が一緒になっている遊具の上に先に着いた。 「はぁはぁ…ん、はぁ…早すぎるよ」 その後に男の子も到着した。 「ねぇ」 「ん?どうしたの?」 女の子は夕陽の赤さぐらい耳を赤くして、俯いた。 「あのね、将来お嫁さんになるの!!」 女の子は意を決して言った。 「およめさん?んーと、誰の?」 男の子は首をかしげ、質問した。 すると女の子は更に顔を赤くした。 「えっと、隼人くんの」 すると、男の子は笑顔になり、 「僕も優美亜ちゃんの旦那さんになる!!」 女の子は笑顔になって、手を出して、 「本当!?やくそくだよ?」 「うん!!やくそく!!」 二人は、夕陽が沈む中公園で生涯の誓いを立てた。 これが、全ての始まりだった。
/310ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加