2人が本棚に入れています
本棚に追加
中央暦1755年 ネリル島 ジェネスキル完成記念式典 楽屋
「……もう一回聞くが、またその夢をみたのか?」
白衣を羽織る男が眉を潜めてこちらを伺う。
「何度も言ってるだろ。」
「俺はあんな双子と、ヘンテコ魔術師な大男に会った事は無い!」
俺はそう言うと、白衣の男やれやれ、という仕草をして、
「ま、私もそのシーンを見たら忘れられないだろうね。」と笑いながら答えた。
しかしこいつはチラチラと俺の右腕を見る…まぁ、慣れてるがな…
「しかし、鳥の形やら何やら、詳しく夢に出ているんだ、アニメとか漫画とかで見た覚えも無いのかい?」
「お前なぁ…いい加減にしろよ…」
「フフッ冗談だよ、聞いただけだ。もしかしたら、君の前世で起きた事かも知れないね。」
白衣の男は考えるそぶりをした。だが顔が笑っている。
「前世?死んだら終わりだろ?そんな空想上の出来事なんか覚えてるのかよ?」
俺が聞くと、白衣の男が目を輝かしながら
「最新の研究によると、死ねばそこで終わりじゃない。私達には生命は見えないが、生命そのものは存在している。言い換えれば生命は無始無終の存在だという論理が多くあるよ。
それなら過去に見たもの、触れた物も覚えていると思うね。」
うんわからない。
「というと、今俺の隣にも生命があるってのか?」と聞く。
男は笑いながら「かもねwww」と応えた。
「そんなオカルト信じない」と答えたら
また男はやれやれ、という仕草をした
最初のコメントを投稿しよう!