筒姫

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私が信仰したとも言える夏の女神、筒姫。 彼女がそうだった。 筒姫は私に優しくして、幼い恋を与え、離れ離れになってしまったのをきっかけに私と縁を切った。 悲しい、寂しい、すぐそばにいるのに笑顔で話せないだなんて。 同時に憎しみと、そして涙が零れた。 なんなら童話に出てくる人魚姫のように、相手の良いところだけを見て幸せに消えていきたかった。 でも、もう良いの。 お互いに違う人生を歩んで、幸せになろう。 それで良いの。 もう、筒姫の笑顔なんていらない。 私にとって、あなたは空気のような存在でした。 空気がないと人が生きていけないように、私はあなたがいないと生きていけなかった。 でも、もう自立しよう。 ちゃんとした自立はできていないけど、あなたに依存する私は殻を割った。 あなた以外に、大切な人ができた。 人を愛することを、覚えた。 筒姫、私は少しでも人の役に立ちたいのです。 ですから、もうあなたがいないと生きていけないような自己中心的な自分を捨てます。 幼い恋心は忘れずに、思い出にして。 いつか、こんなこともあったなって笑いたい。 あなたを憎んだ私も、あなたを愛した私も、あなたを必要とした私も、全て。 未来に繋がるブレスとなれ。
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