コトノナグサ

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「また会えるから。」 そんな言葉が、凄く痛かった。 涙が溢れて、トイレに駆け込んだ。 そんな言葉、気休めってことくらい知ってるって。 なのに、なんでこんなに悲しいんだろう。 いつも会えるのが当たり前だった。 いつもそこにいるのが当然だった。 いなくても、「あ、今日休みなんだ」程度にしか思ってなくって、オムライスのご飯はチキンライスってくらい当然な毎日だった。 よくよく考えたら、全部が新しいことなのにね。 明日からそこにはいない。 そう思うだけで、もう、胸が痛いよ。 いっぱい約束したよね。 「ゴキ◯リが家に出たら、メールして知らせるから来て」とかいう約束した日にゃ、その場にいた3人で爆笑した。 くだらない毎日だった。 けどそれが、何よりも楽しかった。 意味があるようなないような、そんな当然で当たり前でくだらない日々が、今では愛おしい。 戻っておいでと手を叩いても、戻ってはきてくれなかった。
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