コトノナグサ

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「絶対に忘れない」とか、マジかよ?って。 たまには忘れるけどっていうのが地味に笑えたけど、もう、綺麗さっぱり忘れてしまうんじゃないか、不安で不安で。 きっとその胸の内をあかせば、再び言うでしょう。 「絶対に忘れない」って、言の慰。 なんなら「ごめん、2日で忘れる」とか言われた方が面白いよ。 皮肉って皮肉って、とにかく信じずに気休めの言葉だと決めつけて。 何がしたいのよ、私……。 「ひゃっはー!」という、某ゆるキャラ(仮)の真似をする男子の高い声が聞こえたら、私は廊下を走って教室に行くだろう。 もうそこでは会えない友達が、よくしてた物真似。 何人してたっけ、流行ってたんだよね。 お別れ遠足でスペワに行ったとき、声の大きさで速さが変わるっていうジェットコースターが落ちるとき、私含めて3人で言ったんだよね、ふざけてさ。 楽しかったよね、本当に。 カードゲームをしながら雑談をする高めの声を聞いても、私はきっと教室に駆け込む。 女の子達はいつもトランプやウノをしながら駄弁ってたからね。 ブロックスとか、あとチェスしてる子もいたな。 そんな何気ない音と声が、本当に恋しくて。 もう少しここでゆっくり遊んで駄弁っててよ。 寂しいから。
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