コトノナグサ

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真っ白だった感情に色がついた。 とても綺麗な色とは言えないけれど、そんな色が好きだった。 あなた達がいたから色付いたのに、もう、いなくなってしまうの? もっと話したい、遊びたい。 もっと私達を刻んでほしい。 気休めな言葉じゃなくて、本当の言葉だと解るまで待ってほしい。 無理なお願いだよね。 だって、もう……。 気づくのが遅かったんだ。 いや、信じれなかったんだ。 言葉だと不十分でさ。 でも、時々プライベートで遊びに誘ったり、良いよね? その言葉達が本物だと、信じても良いの? 良いなら、本気にするから。 拒否るんなら早めにしてよ。 いつまで経っても子供なままの自分が、酷く惨めに思えた。 「信じて良い?」 コトノナグサ、そんなものでないことを私は願ってる。 一方的にでも良い、信じてるから。 また会えるなら、余計そうだから。 ねえ、さよならなんて言わないで。 手ぇ振っても、絶対にこの言葉だけは譲らないから。 またね。 このあと私は、目元を濡らした。 あなた達先輩を、私は誇りに思います。
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