8月4日

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「……ま、とにかく余裕のあるうちに準備は完璧にしておきなさい?」 そう言い残し、姉貴は部屋を出ていった。 自然と、頭と首が前に傾く。 あぁ……行きたくねぇ。 「あ、あの。荘司……さん。」 「……んー?」 「荘司さんのお祖父さんの家はどんな場所なのでしょうか?」 その質問は……うーん……なんと答えるべきなんだろうな。 易しく話すのは難しい…… 「……とりあえず、めんどくさい場所ではあるかな。」 「めんどくさい……?」 「ここより暑いし、かと言って涼しい場所はないし、親戚が集まるとそれこそ面倒だし、従兄弟は五月蝿いし……」 そんな風に嫌な点をいくつかあげてみる。だが、この中のどれよりも嫌なことがある。 それはなにより…… 「……なにより、じいさんが苦手だ。」 決して、厳しいわけでもない。むしろあの人は優しい。 だが、性格がクールというか……無口なんだ、あの人は。 「じいさんと話す事が今でも苦手なんだよ……たまに何を言ってるのかわからなくなるし、なんて返事すればいいかわからないし……」 白鳥さんはへぇ、と相づちをうつ……この人、本当にわかっているのか?
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