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「荘司さんは行かないでお留守番とかー、そんなことは出来ないんですか……?」
彼女の問いに俺は頷いた。
予定がないなら、絶対行くという、ウチの家系の謎のルール。
「大体、白鳥さんは大丈夫なのか?」
いろいろな点(主に空港)で、白鳥さんがついてくると問題が生じそうだからな……
「……私だけお留守番は嫌ですよ。」
「ですよねー。」
いや、俺だって白鳥さん1人残すなんてしたくないよ?
隣のアイツに預けるのも、アイツの家族に迷惑かかるし……
なにより、彼女が今、頬を膨らませながらこちらを見ているのが耐えられない。
「わかってる。だから、行く日になるまでに方法を見つけないとな……」
……とは言ったものの、どうすれば良いのだろうか?
確認だが、白鳥京子さんは幽霊だ。これは事実である。
彼女は訳アリで死んだらしい。そして、訳アリで成仏出来ずにいるらしい。
そんな彼女が何故、俺の家にいるのだろうか。それは俺が彼女の昔の恋人に似ているから。要約するとこういう事だ。
「白鳥さんはそもそも、保険証とかもないだろうな。」
「突然どうかしたんですか?確かにそのような物は持ち合わせていませんが……」
まぁ、保険証が無くても構わないといえば構わないが……
身分証明とかどうすりゃあ良いんだろうな。
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