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ピピピピーッ
ピピピピーッ
6月17日の6時、すこし散らかり気味の一部屋で、目覚ましが鳴り響く。
ベッドに寝ていた16~7歳くらいの青年が、目覚ましを止め、不機嫌そうに起き上がった。
目はキリッとしていて鼻もシュッとしていて割と整った顔立ちの方である。
髪は短めだが、今はくしゃくしゃだ。
「ねみぃ…まだ6時かよ…そりゃ当たり前か…。」
そして再び布団に潜り込んだ。
しかしすぐに慌てて起き上がり、布団から飛び降りた。
「あれ、6時?やべぇ遅刻する!」
慌てて階段を降りてリビングへ向かった。
父はまだ寝ているようで、母だけが起きていた。
「こんな早くにどうしたの?」
母が不思議そうに青年に尋ねた。
「あっ…えっとぉ~…。そ、そう!今週、朝に補習やっててさ!俺ちゃんと出席しようとして早起きしたんだよ!」
一瞬の沈黙。
「あらぁ、偉いわね、翔平。勉強はしっかりしなきゃね!頑張ってきなさいね!あっ朝ごはんはどうする?」
青年の名は翔平。
「あっもう時間ないから今日はいいや!行きにコンビニで買ってくよ!じゃ…じゃあ行ってきまーす!」
翔平は慌てて家から飛び出し、自転車に乗りすごいスピードで出て行った。
「やべぇ~間に合わね~!」
急いでチャリを漕ぎながら翔平はそう言った。
ここは埼玉県さいたま市である。埼玉県というと、都会!と言う人と、田舎!という人がいるだろうが、ここは都会でも田舎でもなく、住宅街という感じだ。
少し向こうには田んぼもあるし、どちらかと言うと田舎よりかもしれないが…。
翔平は大通りに出た。そして更に自転車を漕いでいく。
スマホをみると6時28分であった。
「くぁ~あと2分か!こりゃ間に合わねぇ~!」
そしてその少し後、翔平は駅に着いた。時間は6時37分。着信が3件きてる。
翔平は駅に自転車を止め、慌てて走っていった。
そしてコンビニへ向かっていった。前には3人の同世代くらいの青年たちが立っていた。
翔平は息を切らしながら声をかけた。
「はぁ…わりぃ…ちょっと寝坊しちゃって…へへっ」
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