第3話 青い星で

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《これが、惑星アース…》 生命に溢れた美しい星。 こんな場所にアレがあると言うのか。 太陽系、地球、北米大陸、アメリカ合衆国、フロリダ半島…。 そして、セント・ジョエル山。そのちょうど大気圏上空に、私は浮かんでいた。 大気の流れを読み、世界中の空を飛び回って、ついに箱を見つけることが出来た。いや…見つけたというのは正しい表現ではないな。 《あの辺りに、パンドラボックスがあったのは間違いないんだが…》 この土地の先住民たちが遺した遺物の破片には、パンドラボックスが封じられていた痕跡――瘴気が残されていたのだ。 しかし…。 《…これはいったいどういうことだ?》 肝心の箱そのものがどこにも見当たらない。感じられない。“かつてそこに在った”という痕跡があるだけだった。 遠くへは行っていないようだが、何処へ?
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