3人が本棚に入れています
本棚に追加
***
もうちょっとで開きそうなんだけどなぁ…。
手が震えて、なかなか上手くいかない。こんな箱、早く手放したいよ!
あとはカギを捻ってお終いなのに。
なんて嫌な夢なんだろう。ヒロキの家で観たジャパニーズ・ホラーみたいなしつこさだよ。
ん?
どどどどどー…って、何かすごい音が聞こえるぞ。
それに、救急車のサイレンみたいな音も。
急に眩しくなって…ぼくの上を、ヘッドライトを光らせた――救急車が飛んでたんだ。
あ、そっか。夢だもんね。現実で、こんなメチャメチャなことが起きるわけないもんね…。
《チェーンジ!》空から男の人の声が聞こえて、救急車が…分解した?
と、思ったら今度は捻じれたり組み合わさったり…。
見ていて目が追いつかないくらいのスピードで、あっという間に人の形をしたロボットになっちゃった!
地響きをさせて、ロボットは遺跡の上に着地を決めた。わーお。お山で一番高い松の木が、なんだか小さく見えちゃうよ。
《君!大丈夫か!?》
絶対、大丈夫じゃないよー…。
ロボットがすっごいリューチョーに英語をしゃべるような、こんな変な夢見ちゃうんだもん。
って、あれ?
ずっとロボットに気を取られっぱなしだったけど、宝石箱もなんだか大変なことになってた。
箱の蓋が開いてる!
最初のコメントを投稿しよう!