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「ぼ、ぼくのこと食べても美味しくないよ…」
へ、ヘビに睨まれたカエルって、こういうのを言うのかな。
メカヘビの牙がよく見える。
近いな、って思ってたら…「痛っ!!」
か、噛まれた!!
手首から、血が…!うわ。落ち着け。
とにかく、お、抑えなきゃ…。
「…あったかい……」ヘビの、あの二つに分かれた舌で血を舐め取られた。
うう、ただのメカヘビじゃなくて、吸血メカヘビだったんだね。冷たい感触が余計に気持ち悪い。
するっとぼくから離れていったかと思うと、メカヘビはさっきのロボットに負けないくらい大きくなった。
丸太なんて目じゃないくらい太い。エディの家で観たパニック映画の巨大ヘビを思い出すよ…。
「あ」
目が霞んできちゃった…。寒い。どうしよう。血も、止まんない。
メカヘビが大きな口を開いた。牙がズラッと並んで…きっと、映画の人たちみたいに、ぼくも食べられちゃうんだ。
もう、ダメなのかなぁ。
「――誰か、助けて…」
《うおおおおお!!》
ものすごい音がして、ふわふわする頭を持ちあげて周りを見た。
すぐ近くには、大きな足。
「え…」
メカヘビが、お山の崖にめり込んでる!
《もう大丈夫だ》
さっきの救急車ロボが、ファイティングポーズを決めて立ってたんだ。
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