乱れ髪

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 俺はホッとすると、笑みを浮かべている美香と目を合わせ、急いで家に入った。 「ありがとうございます」  透き通るように色の白い女に礼を言った。 「お邪魔します」  美香も続いた。 「濡れましたやろ? 今、手拭いを持ってきますよってに」  女はそう言って、下駄を脱いだ。  古色蒼然とした家の中を見回すと、今時見た事のない行灯(あんどん)が、淡い光を揺らしていた。  ーーいつの間に眠ってしまったのだろう……目が覚めると、蒲団の中にいた。
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