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「それで、どうやって各クラスの場所を割り振るの?」
桜が自分の席に戻り、何故か満足そうに話をもとに戻した。
どうしようかと全員が悩むなか、先ほどまで身悶えていた蓮がふらふらと椅子に座り、口を開く。
「…………あみだくじ?」
「――――――キッ!」
まったく考えもせず、思いついた事をそのまま呟いただけらしい蓮に対し桜はキッと睨み
「……能美、君はそこで正座」
「なんで!?」
桜の静かな命令に蓮は抵抗するが、隣に座って傍観していた雄斗が笑いながら抵抗している蓮を無理矢理床に正座させる。
「ちょっとまて雄斗、なんでお前は笑って俺の頭を押さえつけてんの!?スゲー怖いんですけど!?
「……ニヤリ」
「余計に怖いって!」
蓮はそんな状態で半ば泣きそうになりながら優軌を助けてと視線で訴える。
優軌はそんな友人にニコリと笑うと両手を合わせる。
「安らかに眠れ……」
「人を勝手に死者扱いしないでっ!!」
優軌自身は蓮を助けてやりたいのだが……。
桜とは長い付き合いの彼の勘では下手に手を出すと自分まで巻きこまれかねない。
なので少し心が痛む―――……いや、少しも心は痛まないが蓮の助けをスルーすることにする。
「別にさ―――――」
そんな中、雄斗は依然蓮の頭を押さえつけながら言う。
「――別に去年と違う必要無くね?だって去年とは学年もクラスも違うだろ?」
確かにその通り。
今年の3年と去年の3年は違う訳で……。
「「「あ………」」」
桜と蓮それと優軌は同時に意味を理解し、蓮は何事も無かったかのように椅子に戻り、優軌は去年のクラスの配置図を取出し、桜は少し顔を紅く染めながらうつむいてしまった。
結果的に、その日の生徒会はその後は全く進みはせず……。
残りの事はその日の生徒会が終わったあとで、優軌と雄斗で全て決め、職員室に提出してそれは終わった。
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