井上賢介と恋心

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「全く…叩いて起こすことはねぇだろうよ…。」 モトヤンがミスターにぐちぐち言っている。 「お前が寝てたのが悪いんだろうよ…。」 ミスターの正論に、モトヤンはなにも言えなかった。 「しっかし面白かったな~。なあ、どんな夢みてたんだよ?」 「うるせぇー!」 コングのしつこい質問に、モトヤンが大声をあげた。 「あはははっ」 インテリも笑っている。 「さぁて、じゃー帰るかー」 コングがバッグを肩に背負っていった。 「今日みんなヒマなのか?ならメシでも食いに行こうぜ」 モトヤンがみんなに言った。 「いいね!」 「おーいいぜー」 コングとミスターが賛成する。 しかし、インテリは答えなかった。 「ん?用事でもあるのか?インテリ…」 モトヤンが尋ねる。 「あっそういうわけじゃないんだ…僕もいくよ…」 「お…おう」 そして夕食を食べに行こうと歩き出したその時、突然インテリが少し大きな声で言った。 「あ…あのさ…!」 みんなは一斉にインテリの方を見た。 「ぼ…僕…みんなに…相談があるんだ…!」 ?…相談? みんなは少し戸惑った。 「どうしたよ…急に改まっちゃってさ」 コングが笑いながらいった。 しかし無言で下を向くインテリ。 あれ?これガチな感じ? コングが少し気まずい感じにキョロキョロした。 「まあ…とりあえず… メシ食いに行こうぜ」 ミスターの言葉に、みんなが賛成した。 そして近くのファミレスへ。 ここはコングたちの高校から近いため、よく生徒たちが利用している。 部活帰りだったり、テスト前の勉強会だったりに。 「ご注文は?」 大学生くらいのバイトと思われる店員に聞かれる。 「おれ、チーズハンバーグセットで!」 コングは大きな声でいった。 「じゃあ、俺もそれで」 ミスターも続いて言った。 「じゃー俺はチーズバーグセットの大盛りと、大盛りポテトで!」 モトヤンが注文する。 「じゃあ僕はハンバーグセットで」 インテリも注文する。 「ご注文は以上でよろしいでしょうか?」 店員が聞いてきた。 「あっあとあれ、ドリンクバー!」 コングが慌てて注文した。 「あっ俺も」 「俺もだー」 「僕も」 「かしこまりました。」 店員が去っていった。 「ドリンクバーとかさ、この前の体育祭の打ち上げ思い出すよな!」 コングはみんなに言った。 それは5月のことだった。
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