2人が本棚に入れています
本棚に追加
そして次の日。
ホームルームが終わろうとしていた。
「じゃあみんな今日も一日頑張れよ。担任の私にはなんの迷惑もかけないようにな。
では、以上!」
27~8歳くらいの女性の先生である。
「相変わらず中嶋先生はいい加減だな~」
コングは笑いながら席を立った。
もう3人が集まっている。
「さてみんな!まずはインテリが好きな女の子の偵察に行こうか!」
四人は隣の2年4組の教室の前に来た。
そして前のドアの隙間から中をみた。
「ええっと…どの子がインテリの好きな子?」
コングはワクワクして聞く。
なんだかんだ1番張り切っている。
「うう~ん…見当たらないなぁ…」
「早くしないと1限始まっちまうぜ」
ミスターが言った。
「まあまあ落ち着けって。焦ったって仕方が無いだろ?どれどれぇ~?」
モトヤンがそう言って教室の中をジロジロみて始めた。
「下心丸出しだぞ、モトヤン。」
ミスターはつっこむ。
「うるせぇ!健全な男子校生たるもの、下心なしでは生きていけないだろ!」
「うるせぇよ!静かにしてくれよ!」
コングが言った。
「おい」
また後ろで誰かが喋っている。
「おい!」
「だからうるせぇっての!黙ってろよ!」
コングが教室を覗きながら答える。
「だからなにをしてるんだお前らは!」
「だからインテリの好きな子を見てるに決まってるだ…ろ…」
コングが後ろを振り向くと、そこには大沢先生が立っていた。
「大沢ぁ~~!?」
四人はパニクる。
「あっ貴様らはぁ~!?」
四人はびっくりしてジタバタしたので、寄りかかっていた教室のドアが外れ、四人は教室になだれこんだ。
4組のみんながこちらを見ている。
インテリが下敷きになっていたので苦しそうにしていると、声をかけられた。
「あの…大丈夫ですか?」
インテリはふとその声に反応し、顔を上げた。
そこには1人の女子生徒が立っていた。
可愛いらしい顔立ちで、髪は長く清楚系な、お嬢様のような子だった。
「あっ…い…入江…さん」
インテリがそう呟いた。
あれは…。
コングがその子をジッとみた。
すると後ろから声がしてハッと我に帰る。
「貴様らぁ~!こんなことしてタダで済むと思うなよぉ~!お前ら全員…」
「写真!しゃ、し、ん!!」
そういうと大沢は急に黙り出した。
そのすきにコングはインテリの手を取り、逃げ出した。
「このクソガキども~!」
大沢の声が廊下に響いた。
最初のコメントを投稿しよう!