井上賢介と恋心

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そして次の日。 ホームルームが終わろうとしていた。 「じゃあみんな今日も一日頑張れよ。担任の私にはなんの迷惑もかけないようにな。 では、以上!」 27~8歳くらいの女性の先生である。 「相変わらず中嶋先生はいい加減だな~」 コングは笑いながら席を立った。 もう3人が集まっている。 「さてみんな!まずはインテリが好きな女の子の偵察に行こうか!」 四人は隣の2年4組の教室の前に来た。 そして前のドアの隙間から中をみた。 「ええっと…どの子がインテリの好きな子?」 コングはワクワクして聞く。 なんだかんだ1番張り切っている。 「うう~ん…見当たらないなぁ…」 「早くしないと1限始まっちまうぜ」 ミスターが言った。 「まあまあ落ち着けって。焦ったって仕方が無いだろ?どれどれぇ~?」 モトヤンがそう言って教室の中をジロジロみて始めた。 「下心丸出しだぞ、モトヤン。」 ミスターはつっこむ。 「うるせぇ!健全な男子校生たるもの、下心なしでは生きていけないだろ!」 「うるせぇよ!静かにしてくれよ!」 コングが言った。 「おい」 また後ろで誰かが喋っている。 「おい!」 「だからうるせぇっての!黙ってろよ!」 コングが教室を覗きながら答える。 「だからなにをしてるんだお前らは!」 「だからインテリの好きな子を見てるに決まってるだ…ろ…」 コングが後ろを振り向くと、そこには大沢先生が立っていた。 「大沢ぁ~~!?」 四人はパニクる。 「あっ貴様らはぁ~!?」 四人はびっくりしてジタバタしたので、寄りかかっていた教室のドアが外れ、四人は教室になだれこんだ。 4組のみんながこちらを見ている。 インテリが下敷きになっていたので苦しそうにしていると、声をかけられた。 「あの…大丈夫ですか?」 インテリはふとその声に反応し、顔を上げた。 そこには1人の女子生徒が立っていた。 可愛いらしい顔立ちで、髪は長く清楚系な、お嬢様のような子だった。 「あっ…い…入江…さん」 インテリがそう呟いた。 あれは…。 コングがその子をジッとみた。 すると後ろから声がしてハッと我に帰る。 「貴様らぁ~!こんなことしてタダで済むと思うなよぉ~!お前ら全員…」 「写真!しゃ、し、ん!!」 そういうと大沢は急に黙り出した。 そのすきにコングはインテリの手を取り、逃げ出した。 「このクソガキども~!」 大沢の声が廊下に響いた。
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