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そして昼休み。
四人は一階の食堂で昼メシを食べていた。
「いや~まさか大沢が来るとは思わなかったなぁ!」
「でもこれから大沢には、写真っていう切り札があるから怖くねぇな!」
モトヤンとミスターが笑い合っている。
インテリは黙々とカレーを食べている。
そこにコングが聞いた。
「あの子なんだろ?インテリが好きな女の子って…。」
インテリはドキッとして、下を向いた。
「あの子?あの子ってどの子だよ?」
モトヤンが声を荒げ聞いた。
「そうだよ…。あの子…入江沙希ちゃんが…僕の好きな子だ。」
「いやだから誰よ」
モトヤンがつっこむ。
「モトヤンは黙ってろ」
コングはビシッといい放ち、インテリに質問した。
「入江沙希ちゃんって…去年俺らと同じクラスの子だよな?」
「うん…そうだよ。」
インテリは答えた。
コングとインテリは、去年も同じクラスだった。
「たしか去年鎌倉いったときの班、一緒だったよな?」
この高校では一年のとき、学校行事で鎌倉へ行くのだ。
「うん…実はそのときくらいから気になってたんだ…。」
インテリは打ち明けた。
ミスターとモトヤンが話に入ってこれず、さみしそうだった。
「もっと早く言ってくれればよかったのにぃ~」
コングはヒジでインテリのことをツンツンとつついた。
「あの時は…そんな勇気なかったよ。それに、好きな人がいるって噂を聞いちゃったからね。
諦めてたんだ。」
インテリは続ける。
「でもこの前、勉強のことで久しぶりにメールする機会があってさ、そのとき僕の中で昔の気持ちが蘇ったんだ!」
おお~、とモトヤン。
「好きな人がいるのか、誰なのかはわからないけど、僕は思いを伝えようと決心したんだ!」
インテリは力強くそう言った。
「そうだったのか。」
コングが続けていった。
「たしかにあの子、清楚系っぽいもんな。お前あーいう子好きそうだもんなインテリ」
インテリが照れ笑いをした。
「さて、そうと決まればなんとかいい案を考え…る…」
コングがそういい固まった。
「コング?」
みんながコングをみた。コングは食堂の入り口の方を見ながら固まっている。
三人も入り口の方をみた。
そこには2人の女子生徒が立っていた。
しかも1人は、インテリが好きな、入江沙希さんだった。
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