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二人の学生とわかる姿をした男と、明らかに善人には見えない群をなす男達
普通なら圧倒的に不利な状況で、二人は笑う
敗北などないかのように
「うぁ!」「ぎ…っ」「クソがあ…!」「あが…っ」
それが間違いない事を示すように、次々とバットなどの飛び道具まで持った男達が、二人の学生により倒れていく。
「てーつ」
赤い目を持つ者が避けた拳が、そのまま次の相手にくら替えすれば
「朱祐、サボるな」
やはり、振り返る事なくそれを避けた男が相手を蹴り飛ばす
「はっ、犬が吠えんな」
「はいはい、忠実な犬だろ?」
「いい子にしてりゃ、可愛がってやるよ」
「おーけー、期待しない方向で」
まったく緊迫したものを読む事のない空気を持つ二人
次々と倒れ、傷付く男達の中で、二人は傷ひとつおう事はない
「…これはなかなか、困った展開だね」
その風景に、いまだに抱き込んだ拘束を解かない男から初めて焦ったような声がもれた。
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