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「…もう…あきら、め」
沢山。沢山、皆に迷惑や心配をかけた
「諦めろって?ああ、君の大好きな朱雀くんのもとに帰りたいの?」
それでも俺は馬鹿だから
「はは、答えはノー。君を見た時から俺のものって決めてるからね」
嬉しいんだ。
「残念だが、そんな日は一生来ない」
最後に見てから一日もたっていないのに
まるで名前も知らない病気になったよう
「凛の心も」
…たかった
「身体も」
会いたかったんだ
貴方は
俺の
「全部俺のものだ。やっと手に入れた」
「だから、ねえ?触らないでくれる?ああほんと」
「………」
――目が合った
それだけで。充分だ
「!?」
最後の力を振り絞って拘束されていた腕から下に抜けると
「嫉妬で殺したくなるよ」
頭上ギリギリに流れる足の動きを目で追った。
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