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「そろそろ時間だ。気を引き締めろ」
ユズの顔を見上げたキィは、表情を固める。
戦場に不慣れな自分を連れて行くことは少なからず負担が生じる。
しかしユズは、あえて自分を連れて行くことを選んだ。
ユズの表情を見ると、緊張感が更に高まる。
振り返ればアスカと奈兎流が目に入った。
しかしそこには、さっきまでの二人は既にいなかった。
「申し訳ござらん、姉御」
「すまない」
二人もプロだ、気持ちの切り替えは一級品なのだ。
不安そうに三人を見るキィの頭にユズは手を置いて、
「心配すんな。個人でも力のある三人だ。キィが一人増えたところで変わりゃしねぇよ」
そう言って微笑むユズの顔を見ると、自分の顔も綻んで行くのが分かる。
「うん!」
力強く返事を返すとユズは満足気にクシャクシャとキィの頭を撫で、
「よし、行くか」
任務に取り掛かった。
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