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それよりさ、と置かれた手を握ってキィはユズの顔を見上げる。
ん? と鼻を鳴らしながら視線を下ろして、優しい顔を作る。
キィを見ると頬が緩み、自然体になっていくのが自覚出来る。
勿論アスカといる時にも自然体でいられるのだが、それとは何処か違った感覚のような気がしていた。
「今回の任務って何なの?
ナトルさんも来るんでしょ?」
その質問に対してユズは、ああ、と返事をすると、
「獣竜の群れがこの街の近くに彷徨いてるらしくてな、それの狩りだ」
それを聞いたキィは、だからか、と頷く。
フンとユズは鼻で笑うと、それだけじゃないがな、と不敵な笑みを浮かべた。
首を傾げるキィの頭をグシャグシャと撫でた後、
「ま、キィはまだ子供だってことだ」
むぅ、と唸るキィとユズの間に影が割り込む。
と、同時に二人の顔が固まった。
「姉御ぉ、どうしましょう?」
何故かヒョットコの面をしたアスカがいた。
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