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「じゃああんたどうやって帝都に入ったのよ」
思い出して見る。確か今日は七月二一日だったはず。昨夜設定した目覚ましには七月二十日という表記になっていたからである。
就寝する前は普通に学校へ行き、勉学に勤しみ、部活に精を出した。なんら変哲のない日常。
当然、帝国のしかも少女の話によると首都の帝都にくる謂れもなければ路上で寝る理由もない。普通に昨日過ごし、起きたらこんなとこにいる。
結局何もわからないということがわかった。
「……わからん。つうか今何時だ!?学校に遅刻しちまう!」
こんな異常な状況下でも普段の思考は抜けきらないらしく、ふと学校のことを思い出した。
「呑気なもんね。部活動とかあるの?」
「部活動もあるし普通の授業もあるよ!」
少年のひそかな自慢だが、今まで高校を休んだこともないし、遅刻もしたことがない。入学したてのほやほやなら大半はそうであることは百も承知だが、これからの二年やり遂げるのは至難の技だと理解しているし、やり遂げる自信は彼にはあった。
「……補習かなんか?」
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