追いつけない思考回路

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これは、ケイが卒業式の帰りに私にくれたもの。 なんで私にくれたのかはよくわからないけど、ケイはとてもモテるからこれだけ私のために誰にも渡さずにいてくれた。 【学校は離れてもいつも一緒だから】 そう言ってくれているようで、これを渡されたときは本当に嬉しくて。 大事にしまって鞄に入れて持ち歩いてるんだ。 ・・・あの時、ケイは私に何か言っていたような気がするんだけど、ケイの言葉が風にかき消されてよく聞こえかった あの時何て言ったの? 顔を真っ赤にして何か言ってたのに。 その後、ケイは怒って私をその場に残して帰っていっちゃった。 よく考えたらあの時から・・・ケイの私に対する態度が換わったような気がしてる。 「もぅ!ダメダメ!ケイなんか知らないんだから」 ピンクの巾着を鞄に押し戻して私は役まで走った。 駅では「遅いよっ!」って逸花ちゃんが少し頬を膨らませて立ってて。 その仕草がとても可愛くて笑ってしまいそうだったけど、 「ごめーん!」 そう、謝って二人で改札をぬけた
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